ニュージーランドへの海外進出|事例から分かった日本企業の成功のポイント

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ニュージーランドは、その豊かな自然と安定した経済環境で知られる市場です。

人口規模は小さいものの、消費者の購買力が高く、高品質な商品やサービスに対する需要が年々増加しています。

特に、日本製品やサービスは「信頼性」「品質」「持続可能性」といった点で高評価されており、多くの日本企業がこの市場で成功を収めています。

この記事では、ニュージーランドへの海外進出で成功した日本企業の事例を業界別に紹介します。

  1. ニュージーランド市場|「食品業界」の成功事例2つ
  2. ニュージーランド市場|「製造業」の成功事例2つ
  3. ニュージーランド市場|「IT・テクノロジー業界」の成功事例2つ
  4. ニュージーランド市場|「サービス業」の成功事例2つ
  5. 成功事例から見えてきた戦略とポイントとは?

最後まで読むと、それぞれの事例から学ぶべきポイントが分かり、海外進出を検討する際の参考になるでしょう!

1. ニュージーランド市場|「食品業界」の成功事例

ここでは、ニュージーランドの「食品業界」の成功事例として、以下の2つを取り上げます。

  • ワカメ関連製品・・・丸善食品工業
  • 日本酒・・・八海醸造(Hakkaisan)

それぞれ順に解説します。

1-1. ワカメ関連製品の成功|丸善食品工業

丸善食品工業は、ニュージーランドでヘルシー志向が高まる中、ワカメを活用した健康食品を展開。

現地の消費者にとってほぼ未知の食材ながら、ニュージーランドの健康食品市場でシェア拡大に成功しました。

【成功のポイント】

  • サステナビリティ(*) に基づいた製品として注目を集めることに成功。
  • スーパーや自然食品店への流通を拡大。
  • 現地レストランチェーンとも提携。

(*) サステナビリティ(sustainability)とは、環境や経済等に配慮した活動を行うことで、社会全体を長期的に持続させていこうという考え方のことです。

1-2. 日本酒の成功|八海醸造(Hakkaisan)

八海醸造は、日本酒がニュージーランドの高級レストランで注目を集めていることに着目。

現地のワイン愛好家にもアピールできるような洗練されたマーケティング活動により、輸出量が前年比で30%増加を記録しました。

【成功のポイント】

  • 現地の”ワインイベント”でのプロモーションが好評。
  • その他の施策の効果もあって、日本酒の認知度が大幅に向上。

2. ニュージーランド市場|「製造業」の成功事例

ここでは、ニュージーランドの「製造業」の成功事例として、以下の2つを取り上げます。

  • 建設機械・・・コマツ(Komatsu)
  • 農業機械・・・クボタ(Kubota)

それぞれ順に解説します。

2-1. 建設機械の成功|コマツ(Komatsu)

コマツは、ニュージーランドの建設業が急成長していることに注目。

耐久性が高く、環境に優しい建設機械を提供することで、市場シェアを拡大することに成功しました。

【成功のポイント】

  • 現地の施工業者向けにカスタマイズした製品とサポート体制。
  • ニュージーランド全域で主要な建設プロジェクトに採用された。

2-2. 農業機械の成功|クボタ(Kubota)

クボタは、ニュージーランドの農業市場に特化することで、農業機械の販売台数が伸びています。

販売台数が増加に伴い、ニュージーランドの主要農業機械ブランドとして認知度も向上しました。

【成功のポイント】

  • 現地の牧畜業者に向けた”高性能”なトラクターや農業機械を展開。
  • 現地での展示会やデモンストレーションを積極的に実施。

3. ニュージーランド市場|「IT・テクノロジー業界」の成功事例

ここでは、ニュージーランドの「IT・テクノロジー業界」の成功事例として、以下の2つを取り上げます。

  • クラウドサービス・・・富士通(Fujitsu)
  • キャッシュレス決済・・・ソフトバンク(PayPay)

それぞれ順に解説します。

3-1. クラウドサービスの成功|富士通(Fujitsu)

富士通は、ニュージーランドのクラウドサービス業界に進出しました。

サービスの導入件数が増加し、ニュージーランドのIT業界で一目置かれる存在となりました。

【成功のポイント】

  • 中小企業向けにカスタマイズされたクラウドサービスを展開。
  • 現地のITインフラを強化するためのパートナーシップを構築。

3-2. キャッシュレス決済の成功|ソフトバンク(PayPay)

ソフトバンクは、ニュージーランドの観光業に着目し、キャッシュレス決済の普及を推進。

日本人観光客を中心に事業拡大し、取引量が前年比で大幅増加することに成功しました。

【成功のポイント】

  • 観光地や小売店での導入件数が増加。
  • 現地の中小事業者向けにも対応可能なシステムも導入。

4. ニュージーランド市場|「サービス業」の成功事例

ここでは、ニュージーランドの「サービス業」の成功事例として、以下の2つを取り上げます。

  • 温泉リゾート・・・星野リゾート(Hoshino Resorts)
  • 物流サービス・・・日本通運(Nippon Express)

それぞれ順に解説します。

4-1. 温泉リゾートの成功|星野リゾート(Hoshino Resorts)

星野リゾートは、自然豊かな環境を活かすべくニュージーランドに参入。

現地観光業界でも注目される存在となり、高い評価を受け、予約率は90%以上を記録するほどでした。

【成功のポイント】

  • 日本の温泉文化を取り入れた高級リゾートを展開。
  • 現地の富裕層や観光客をターゲット。

4-2. 物流サービスの成功|日本通運(Nippon Express)

日本通運は、ニュージーランドに進出し、効率的で信頼性の高いサービスを提供。

日系企業だけでなく、現地企業からの契約も増加し、新たな収益源として成長しました。

【成功のポイント】

  • 貿易市場での物流需要をターゲットに設定。
  • 食品や農産物の輸送に特化した冷凍物流も展開。

5. 成功事例から見えてきた戦略とポイントとは?

先ほどの成功事例をみてきて、何か気がついたり、気になったことはあったでしょうか?

共通して見えてきたことを、以下の通り、5つの観点でまとめてみました。

  1. 現地市場の徹底的な調査と理解
  2. 製品・サービスのローカライズ
  3. 現地パートナーとの連携
  4. ブランド価値の確立と維持
  5. 柔軟なマーケティング戦略

それぞれ順に解説します。

5-1. 現地市場の徹底的な調査と理解

ニュージーランド市場で成功するためには、徹底した市場調査が不可欠です。

消費者の嗜好や文化、競合の状況を正確に把握することで、戦略を最適化できます。

丸善食品工業の成功事例のように、現地の健康志向や特有のライフスタイルに対応した商品やサービスを開発することが重要です。

Q. ニュージーランド市場の大きな特徴は?

ニュージーランド市場の特長として、「健康や持続可能性に対する意識の高さ」が挙げられます。

消費者の価値観を理解するだけでなく、それに応じたプロモーションを展開することで信頼を築けます。

また、ローカルの競合他社との比較調査を通じて、差別化ポイントを明確にすることも重要です。

5-2. 製品・サービスのローカライズ

現地文化や消費者ニーズに合わせて製品やサービスを調整するローカライズ戦略は、ニュージーランド市場での成功の鍵です。

八海醸造の成功事例のように、日本独自の魅力を保ちながらも現地市場に合ったプロモーションを展開することで、高付加価値を提供できます。

Q. 特に好まれる製品やサービスの特徴?

ニュージーランドでは、一例として、「ユニークで質の高い商品・サービス」が好まれるという傾向があります。

例えば、食品業界では「グルテンフリー」や「オーガニック」といった特徴が特に重要視されます。

そのため、それに応じた製品改良やパッケージデザインが効果的です。

また、日本の伝統的な要素をアピールする際は、それが現地消費者にどのような価値を提供できるかを明確にする必要があります。

5-3. 現地パートナーとの連携

現地企業やパートナーとの協力は、スムーズな市場参入と事業拡大に不可欠です。

現地市場の知識やネットワークを活用することで、法規制や文化的なギャップを埋めることができます。

例えば、丸善食品工業が現地の流通業者と提携したように、信頼できるパートナーを見つけることが成功の鍵となります。

Q. 現地との強固な関係を築くには?

ニュージーランド市場では、現地との強固な関係を築くことが成功を後押しします。

現地パートナーは、消費者のニーズに応じた柔軟な対応や、法規制への適応をサポートしてくれる重要な存在です。

また、共同プロモーションや共同イベントを通じて、ブランド認知を高めることも有効です。

5-4. ブランド価値の確立と維持

高品質な製品やサービスを提供するだけでなく、それを現地で持続的に評価されるブランドとして確立することが重要です。

例えば、丸善食品工業のように、一貫したブランドメッセージと高い品質管理を通じて、現地市場での信頼を築くことが成功を支える要素です。

Q. ニュージーランドで好まれるブランド戦略は?

ニュージーランド市場では、「クオリティ」や「信頼性」がブランドの基盤となります。

これを維持するためには、品質管理だけでなく、消費者との継続的なコミュニケーションが重要です。

また、持続可能性や環境への配慮をブランドの一部として打ち出すことで、現地の社会的価値観に響くブランド構築が可能です。

5-5. 柔軟なマーケティング戦略

現地の消費者行動やトレンドに合わせたマーケティング戦略が必要不可欠です。

例えば、デジタル広告やSNSを活用したキャンペーンは、若年層やミレニアル世代の消費者に効果的です。

八海醸造の事例のように、現地特有の嗜好に対応した戦略が奏功します。

Q. ニュージーランドで特に効果的なマーケティング活動は?

ニュージーランドでは一例として、「地元コミュニティとの関わり」や「ローカルイベントへの参加」が消費者の心を掴む方法として有効です。

また、現地のインフルエンサーを活用したマーケティングも影響力があります。

オンラインとオフラインのマーケティングを組み合わせて、消費者に多面的な接点を提供することが重要です。

6. まとめ

ニュージーランド市場は、日本とは違い、事業拡大するための多くのビジネスチャンスが期待できます。

消費者の購買力や文化的な親和性も活かしつつ、現地ニーズに合った製品やサービスを提供することが成功の鍵となります。

先ほど紹介した事例も参考にして、何かニュージーランド進出に繋がるヒントを見つけられること願っています。

(*) もう一度チェックしたい箇所があれば、以下をクリックするとジャンプします。

  1. ニュージーランド市場|「食品業界」の成功事例2つ
  2. ニュージーランド市場|「製造業」の成功事例2つ
  3. ニュージーランド市場|「IT・テクノロジー業界」の成功事例2つ
  4. ニュージーランド市場|「サービス業」の成功事例2つ
  5. 成功事例から見えてきた戦略とポイントとは?

最後に、この記事を参考にして、この自社の強みを活かした最適な進出計画をさらに進めるためのお役に立てたら幸いです。

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