【Chow Luck Club】ニュージーランドのエスニックフードを通じて文化と人を繋ぐコミュニティ

ニュージーランドの飲食業界やビジネスコミュニティに関心のある方に向けて、今回は「Chow Luck Club」(チャウ・ラック・クラブ)をご紹介します。
先日取り上げたHospitality New Zealand(※当サイトの関連記事)に続き、現地のコミュニティやネットワークを知ることで、現地に根差したビジネススタイルをより理解しやすくなるでしょう。
特に経営者の方にとっては、こうしたユニークなコミュニティがあることを知っておくと、情報交換やコネクション作りに役立つかもしれません。
【目次】
- Chow Luck Clubとは? 近年注目のエスニックフード&ビジネスコミュニティ
- Chow Luck Clubを牽引する2人のキーパーソン|Bee Koh氏 と Lincoln Tan氏
- Chow Luck Clubの特徴や活動内容、日本人コミュニティとの関わり
最後まで読めば、あなたのビジネスにChow Luck Clubを活かせるのかどうかがわかるでしょう!
【Chow Luck Club – 公式リンク】
1. Chow Luck Clubとは? 近年注目のエスニックフード&ビジネスコミュニティ
Chow Luck Clubは、もともと2021年にLincoln Tan氏の個人ブログ「Lincoln’s Table」から発展し、ロックダウン中のニュージーランドで食の情報を共有するFacebookコミュニティとして誕生しました。
例えば、創業時のアイデアと出来事について、公式ページでは以下のように説明されています。
【公式ページからの引用】
“The idea at the start was simple – using food to break down cultural barriers and encourage friendships through a Facebook group and small events.
Then Covid-came and seven of our planned events had to be canceled, Chow Luck Club then became a vessel for helping small eateries survive the pandemic.”(引用:Chow Luck Club)(最初のアイデアはとてもシンプルなものでした ― 食を通じて文化の壁を取り払い、Facebookグループや小さなイベントを通して友情を育むこと。
ところが、コロナ禍が訪れ、計画していた7つのイベントがすべて中止になってしまいました。そこでChow Luck Clubは、小さな飲食店がパンデミックを生き延びるための支えとなる存在へと変わっていきました。)
その後、2024年には公式サイト「chowluckclub.com」を立ち上げるなど、多様なエスニック料理とライフスタイルの分野におけるニュージーランド有数のコミュニティ(プラットフォーム)へと発展してきました。
また、現時点でFacebookグループには2万人以上も参加しており、InstagramやTikTokなどSNSでも積極的に業界情報を発信しています。
⚫︎ 飲食業界における存在感の高まり
Chow Luck Clubは、主にSNSを通じてニュージーランドで世界各国の料理を楽しめるお店を日々紹介していますが、その活動はそれだけにとどまりません。
レストラン経営者やイベント・メディア関係者との連携も通じて、各種イベント・情報交換・ネットワーキングなどを提供しているほか、コンサルティングサービスも手掛けています。
各種フードイベントの例
例えば以下のような、フェスティバルやマーケット、ワークショップ、フードツアーなど幅広い食関連イベントも運営しています。
コンサルティングサービスの例
Chow Luck Clubは、オークランドの人気ラーメン店の1つである「味千ラーメン」のコンサルティングサービスも手掛けています。
当時はまだニューマーケットに1店舗のみという状況でコンサルティングを開始し、2025年9月時点までに4店舗と順調に事業拡大しています。
引用:AJISEN RAMEN
⚫︎ Hospitality New Zealandとの関係
Chow Luck Clubの中心メンバーであるBee Koh氏とLincoln Tan氏は、ともにHospitality New Zealandのエスニック・アドバイザリー・グループにも所属しています。
Hospitality New Zealandが業界団体としての色合いが強いのに対して、Chow Luck Clubはよりカジュアルかつオープンな雰囲気を持っているのも大きな違いの1つです。
引用:Facebook
ニュージーランドの多様な文化背景を反映した会話や交流が行われるため、NZ在住日本人にとっても現地のビジネス文化に触れる貴重な機会となるでしょう。
Hospitality New Zealandとは、ニュージーランドの宿泊業・飲食業・観光業などホスピタリティ分野を代表する業界団体で、事業者のサポートや業界の発展に貢献している組織です。
また、Hospitality New Zealandはホスピタリティ業界において多くの経営者が直面しやすい課題に対するサポートを幅広く提供しているため、少しでも気になる方は当サイトの関連記事や、公式サイトをチェックしてみることをおすすめします。
⚫︎ Chow Luck Clubのパートナー紹介
Chow Luck Clubのパートナーには、Auckland Council や Hospitality New Zealandをはじめ、以下のようなローカルコミュニティも名を連ねています。(2025年9月時点)
その他にも、先ほど紹介した味千ラーメンも、パートナーとして名を連ねています。
このように、Chow Luck Clubの活動は公的機関、ローカルコミュニティ、民間企業などから広く支えられていることが分かります。
今回調べてみて私も初めて知ったのですが、Auckland Council (※) がパートナーとして関わっているということは、Chow Luck Clubは単なるグルメコミュニティを超え、地域振興や文化交流の一端を担っていることが伺えます。
(※ オークランド地域全体を管轄する地方政府組織)
2. Chow Luck Clubを牽引する2人のキーパーソン|Bee Koh氏 と Lincoln Tan氏
先ほども少し触れたとおり、Chow Luck Clubの成長と影響力を特に支えているのが、中心人物であるBee Koh氏とLincoln Tan氏です。
それぞれ異なるバックグラウンドを持ちながらも、「食を通じて人と文化をつなぐ」という共通の理念のもとに活動しています。
Bee Koh氏:
Chief Foodieとしての存在感
Bee Koh氏は「Chief Foodie」として知られ、教育分野のバックグラウンドを持ちながら、ニュージーランドで食文化とコミュニティを結びつける役割を果たしています。
単なるグルメ紹介にとどまらず、食を通じた人々の交流や文化理解を重視しており、その行動力は経営者にとっても参考になるでしょう。
Lincoln Tan氏:
情報発信力で同クラブを牽引
以前NZ Heraldに在籍していたジャーナリスト出身のLincoln Tan氏は、自身のブログ「Lincoln’s Table」をきっかけにChow Luck Clubを共同で立ち上げました。
メディアで培った発信力を活かし、記事やレビューを通じて多文化社会における食の魅力を広めています。
その影響力はクラブの認知度向上に大きく貢献していると言えます。
二人がもたらす相乗効果
『Bee Koh氏のコミュニティ形成力と、Lincoln Tan氏の情報発信力。』
この二人が組み合わさることで、Chow Luck Clubは「文化をつなぐ場」であると同時に「広く知られる存在」として成長しました。
ニュージーランドで活動する日本人経営者にとっても、彼らのスタイルは「どう人をつなぐか」「どう発信して信頼を得るか」を学べる好例と言えるでしょう。
3. Chow Luck Clubの特徴や活動内容、日本人コミュニティとの関わり
Chow Luck Clubの魅力として、ただ人と出会う場としてだけではなく、学びや新しい気づきを得られる点も挙げられます。
ここでは主な活動や特徴をまとめてみました。
⚫︎ イベントと学びの場
定期的に開催されるイベントやミーティングでは、ホスピタリティ業界や関連分野で活躍する経営者・専門家がスピーカーとして登壇し、現場での課題や成功事例を共有します。
こうした生の声に触れることで、業界の最新動向を把握することができるでしょう。
参加する意義
特に飲食業やサービス業に携わる方にとっては、業界の最新トレンドや実際の課題をリアルタイムで知るきっかけとして活用することもできます。
さらに、Chow Luck Clubとの関わり方次第では、ネットワークを広げる手段として活かせるかもしれません。
⚫︎ 異業種交流の特徴
Chow Luck Clubは、飲食業界だけでなく、メディア、マーケティング、サプライチェーンなど、多彩なバックグラウンドを持つ参加者が集まるようなコミュニティとなっています。
様々な分野の関係者とも繋がることで、協業のアイデアや販路拡大のきっかけを見つけられるかもしれません。
例えば、先ほど紹介したLincohn Tan氏のFacebookフォロワー5,000人以上であり、Lincohn氏と繋がるだけでも自身のコネクションを広げやすくなるかもしれません。
引用:Facebook
このように、普段の仕事だけでは得られない新しい視点やアイデアが求めている方にとっては特におすすめと言えます。
⚫︎ オンラインでの情報交換
Facebookなどのオンラインプラットフォームでも活発に情報交換が行われています。
現地で直接参加できない場合でも、投稿やディスカッションを通じて最新情報をチェックすることができます。
【参考】
NZ在住日本人コミュニティとの関わり
例えば、2025年9月開催された日本ビジネスクラブNZ(拠点: オークランド)の会合において、Chow Luck ClubとHospitality New Zealandの主要メンバー4名がゲストスピーカーとして招待され、スピーチを行いました。
(引用 Facebook(上段、下段中央)、下段2つ: 筆者撮影、開催場所 Ikku Japanese Restaurant)
ちなみに、上記の背景としては、近年Hospitality New Zealandがインド系や日本人コミュニティへの普及活動に力を入れていることなどが挙げられます。
4. まとめ|Chow Luck Clubを通じて広がるNZでの繋がり
このようにChow Luck Clubは、知れば知るほどNZのローカルコミュニティにとって有意義な活動をしているコミュニティであると言えます。
特にNZ在住日本人にとってはエスニックフード関連情報をはじめ、最新情報や人脈も得られるような貴重な場とも言えます。
もし少しでも気になった方は、ぜひこの機会に公式サイトやSNSをチェックしてみてほしいと思います。
まずは少しチェックしてみるだけでも、NZでの生活やビジネスをより豊かにする第一歩に繋がるかもしれません。
【Chow Luck Club – 公式リンク】
:https://chowluckclub.com/
:chowluckclub
:chowluckclub.com
最後になりますが、このページが皆さまにとっても何か1つでも参考になれば幸いです!